子供の連れ去り別居は違法?奥の手カウンセリングでの解決方法も

こんにちは!
夫婦関係の専門家 夫婦関係奥の手カウンセラーの利光加凪(としみつ かな)です。

帰宅したら、家にいるはずの妻と子供の姿が見当たらない・・・
保育園に迎えに行ったら、すでに配偶者が連れて行ってしまっていた・・・
配偶者が勝手に子供を連れて別居し、どこに住んでいるかわからない・・・

子供のいる夫婦が離婚をしようとするとき、「父親、母親のどちらが子どもの親権を持つのか?」ということがしばしば問題となります。

父親、母親共に親権を持ちたいと考えるケースでは、話し合いが平行線となってしまうこともよくあります。

または、片方が離婚したくない場合、離婚したいほうが勝手に子供を連れて別居するという強硬手段に出る事例も最近特に多いです。

そこで今回は、連れ去り別居の違法性と配偶者に子供を連れ去られたときの解決方法などについてお伝えしていきますね。

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連れ去り別居とは?

連れ去り別居という言葉を最近よく耳にします。
弊室でも、最近特にご相談が多い案件のひとつです。

連れ去り別居とは、夫婦のどちらかが相手の同意なく、子供を連れて勝手に別居してしまうことです。

現在の法律では、子供のいる夫婦が離婚する際には、子供の親権者を決めなければなりません。

そのため、両親がともに子どもの親権者になりたいと希望して、話し合いが平行線になると、離婚はできない状況になります。

また、一芳が離婚をしたい、一方が離婚をしたくない、という場合、離婚したい方が子供を連れて別居し、離婚したら子供に会わせる、という条件を付けてくる場合もあります。

そこで、強引に子供の親権を取ろうとしたり、無理やり離婚に応じさせようと、一方が連れ去り別居を強行することがあります。

そして、子供を巻き込んだ大きなトラブルへ発展していってしまうのです。

連れ去り別居は違法?

もしあなたが連れ去り別居をされてしまった側であれば、「子供を誘拐された」と感じますよね。

しかし、子供にとっては連れ去りを行った側も親です。

ですから、現在の日本では、連れ去りを行った側の「生育環境の現状維持」や「監護実績」といった事情が重視され、連れ去られた方が泣き寝入りせざるを得ないケースも多く発生しています。

最近は、子供の連れ去り別居が社会問題化し、日本がハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)締結の検討を始めたことから、その状況は少しづつではありますが、変わってきています。

では、「連れ去り別居」は法律的にはどのように解釈されるのでしょうか。

子供の連れ去り別居が違法とされるケース、違法とされないケースがありますので、順番に見ていきましょう。

連れ去り別居が違法とされるケース

両親が互いに合意していない状況で子供を連れ去る形で別居した場合は、基本的に違法な連れ去りと解釈されると考えてよいでしょう。

連れ去り別居は、「未成年者略取罪」という刑法224条の構成要件に該当する可能性があります。

連れ去られた側から刑事告訴され、起訴された場合は、理論上は3月以上7年以下の懲役が課せられます。

しかしながら、夫婦間の争いで告訴まで至ることは少ないです。

また、離婚前であれば、相手にも親権があるため略取に該当しないため、刑法224条の構成要件にはあたらないとされることもあります。

さらに、刑法の問題とは別に、家庭裁判所が連れ去り別居を強行した側が親権者としてふさわしくないと判断されることもあります。

連れ去り別居が正当とされるケース

次のような事例では、連れ去り別居であっても違法ではないと判断されることがあります。

  • 連れ去られた側が子供を虐待していた
  • 連れ去られた側が連れ去り側配偶者に対してDVを行っていた

配偶者や子供の生命身体に危険が生じる可能性がある場合などには、違法ではないと判断されることがあります。

親権・監護権をとるためには?

連れ去り別居では、連れ去った側の親の意思のみが反映していますが、本来子供の親権や監護権は、子供のための利益を最優先して考えるべきものです。

そこで、具体的に子供の親権や監護権を得るために求められる必要最低限ともいえる条件を知っておきましょう。

客観的な成育環境や状況

  • どれだけ子供の育成環境に適した環境を作ることができるか?
  • 自身の生活リズムを子供に合わせられるか?

等が重視されます。

経済力

収入・資産等の経済力は、子供を育てていくためには不可欠です。

生活に困窮すれば子育ては難しくなりますし、子供の教育費次第で子供の将来が変わることもありえます。

そのため、経済力がある側が親権者にふさわしいと考えられる傾向にあります

手助けしてくれる人の有無

子供に寄り添った生活を送っていても、不意の病気や事故等、ひとりでは対応しきれないこともありますよね。

そんなときに、代わりに子供の面倒を見てくれる人がいれば、とても安心です。

典型例としては、子供の祖父母等、親権を希望する親の親族の援助がどの程度得られるのか、というところも大切です。

親権者、監護者の心身の健康状態

親権や監護を望む者が体調不良や心身が落ち込んでいる状態では、子供を育成することは難しいですね。

そのため、いくら親権を求めていても、親権者が果たすべき責任を担えない可能性がある場合は、親権を得ることが難しくなります。

もちろんDVがあったり、育児放棄(ネグレクト)していた等の場合も、親権を得ることは難しくなります。

母性優先の傾向

日本では、「子どもの養育のためには母親が一緒に居ることがふさわしい」と考えられる傾向がまだまだあります。

特に子供が幼ければ幼いほど、親権は母親優先となる傾向があります

乳幼児であればなおさら、親権争いの場は母親が有利となります。

しかし、母親が育児放棄をしていたり、父親が主体となって育児をしていたりする場合には、この限りではなく、当相談室でも父親が親権者になった例があります。

とにかく子供の状況に合わせた生活をさせられるかが大きなポイントになります。

子供自身の意見や意思

子供の年齢が15歳を超えている場合は、家庭裁判所では子供の意思を聞き、子供の意思が尊重されます。

また、15歳未満であっても、学童期以降は子供の意見も参考にされます。

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子供と暮らすためには?

「離婚後も絶対に子供と暮らしたい!」と思い、連れ去り別居を考えてしまう方もいるかもしれません。

しかし、連れ去り別居は違法な連れ去りですから、結果的に不利になってしまう可能性も大きいです。

どうすれば、子供と一緒に暮らすことができるようになるのでしょうか。

話し合い(協議)

まずは別居前に話し合いを行い、相手に自らが子供と生活することを納得してもらうことです。

子の監護者の指定調停

話し合いで相手が納得してくれればよいのですが、相手が譲らず、その結果連れ去り別居に至ることもあります。

話し合いをしても結論が出せない場合は、家庭裁判所を通じて判断を下してもらうことができます。

その場合は、家庭裁判所で「監護者指定調停」を申立てましょう。

「監護者指定調停」では、子どもと一緒に暮らして生活する「監護者」を決めるための話し合いを、審判官及び調停委員を介して行います。

あくまでも話し合いなので、調停委員が結論を出すことはありません。

調停で話し合っても結論が出ないときは調停は不成立となり「監護者指定審判」へ移行します。

子の監護者の指定審判

監護者指定審判」では、家庭裁判所の審判官がどちらが監護者としてふさわしいかを判断し、適切な監護者を指定してくれます。

判断基準は、上記の項でお伝えした「親権者となる条件」と同じと考えられており、監護者指定調停で行われた話し合いの内容も参考にされます。

子の監護者の指定審判で指定されたほうは、相手が納得しなくとも、子供と一緒に暮らすことができます。

もし夫や妻が子どもの連れ去り別居をしたら?

もしも、配偶者が監護者や親権を決める話し合いをしている最中や、何の前触れもなく、突然子供を連れ去り、別居を始めてしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。

監護者指定・子の引渡し審判申立て(審判前の保全処分を含む)

まずは子供の安全を確認し、相手がどのような状態なのかを確認する必要があります。

子供の命や心身に危険が及びそうな場合は、警察に相談することも考えられます。

話し合いで解決する余地がある場合は、離婚前であれば「子の引渡し調停」を家庭裁判所に申し立てます。

前項で説明した「監護者指定調停」も同時に申し立てましょう

ただし、調停は月に1回ほどしか開催されません。
決定までに時間がかかり、相手に養育実績を与えてしまうことになります。

そこで、監護者を速やかに決定してもらえるよう「監護者指定・子の引渡し審判」を申し立てると同時に、「審判前の保全処分」の申立ても行います

これは、審判の決定が出るまでにも時間がかかるため、決定前に仮の処分を下してもらうための手続きです。

奥の手カウンセリングでの解決方法

上記のような監護者指定、子の引き渡し審判の申立てをしても、時間が掛かりますし、現状の日本では連れ去られた側が父親の場合は、母性優先の観点から監護者になったり、子供を引き渡してもらうことは難しいのが現状です。

奥の手カウンセリングでは、そのような方の場合は、夫婦間の高葛藤を減らすための心理的アプローチ、相手の心の根底にある本心や互いがより良い条件となるような駆け引きなどで、互いにすり合わせを行えるように、闘わずに戦う様々な視点からアプローチしています。

子供を連れ去られたのち監護者・親権者になった方の実例

実際に子供を連れ去られた側の方の実例とご感想です。

妻が子供たちを連れて突然家からいなくなった日からは、地獄のような毎日でした。

妻に連絡しても居場所も教えてくれず、子供たちに会わせてほしいと伝えても、「離婚したら会わせる」の一点張りでした。

弁護士にお願いして監護者指定をやりましたが、予想通りダメ。

離婚したくないこともあり、このままじゃ一生子供にも会えないし、せっかく家族で住むために買ったマンションに1人で住み続けるのもさみしいし、もう離婚に応じるしかないのかと思っていた時に、友人から利光さんのXを教えてもらいました。

すぐにカウンセリングをお願いし、継続サポート会員になり、何から始めたらよいかをひとつづ順番に教えてもらいました。

(略)

途中、もうだめかもしれないという気持ちと、連れ去りをした妻への怒りで気が変になりそうな時もありましたが、そんなときは通話カウンセリングでまだ頑張れるという前向きな気持ちにさせてもらったり、気持ちを落ち着かせるワークなども教えてもらったりもしました。

連れ去りや離婚に関すること以外の精神的な安定も、とても大事だと実感しました。

利光さんは、わたしの話から妻の性格なども分析してくれて、「こう伝えてみてください」と言われて伝えたことが見事に妻に刺さったりと、決して相手を傷つけずとも相手の心理をうまくコントロールすることで、時間は掛かりましたが無事子供と暮らせることになりました。

その後、離婚を望んでいた妻と離婚しましたが、子供と暮らしていた実績が認められ、親権者にもなれました。

あの時、諦めずにいてよかったと思っています。

(40代男性)

まとめ

今回は、子供の連れ去り別居とその解決方法についてお伝えしました。

大切な子供が心身共に健康に育っていくためには、安定した生活環境は欠かせません。

なによりも、子供のことを第一に考え、話し合いを進めていくことが最重要です。

しかし、相手が話し合いに応じずに連れ去り別居を行った際には、どうぞお気軽にご相談くださいね!

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